ずりや材料を運搬する列車の退避や行違い、あるいはトロの入換えのために、切羽の進行やコンクリート覆工等の作業進捗に応じて、既設レール上を機関車の牽引により移動する分岐器をいう。この分岐器は、一般の分妓器に鋼製のまくらぎを取り付けて一体構造とし、前後端部に装着した乗上げレールにより既設のレールと接続しているが、最近は、分岐器の変形の防止あるいは分岐器と本線路とのレール面の高低差を少なくするために、鋼製まくらぎの代わりに厚さ16㎜程度の鉄板としているものがほとんどである。既設の軌道が複線か単線か、または分岐の目的によりS形、Y形、N形、X形等の種類があり、切羽が単線で後方が複線の場合には、Y形の使用により容易に複線とできるよう、複線間の間隔を軌間と同一にした等三線式の場合に最も多く使われている。